2013年10月20日日曜日

部下との面談スキルについて

上司として、また、先輩として、
部下や後輩を育てることは社会的にも大切な役目のひとつです。
その際、部下や後輩と、どう接するかが重要なカギとなります。

組織の中での人間関係づくりやスムーズな業務のためには、
定期的に面談の機会をもつことが重要。
新しいプロジェクトなどの目標があるとき、
お互いの目的意識を統一できるような話し合いの機会が持てれば
部下のやる気を起こさせることができるでしょうし、
彼らが成長するきっかけにもなるはず。
そのためにも、面談は一回限りのものではなく、
継続的に取り組むもことが望ましいでしょう。

これから、本格的な就活シーズンを迎えるということもあり、
面談のスキルアップのためのお話しをしたい思います。


面談には「かきくけこ」を駆使する


か=「環境」
面談するにあたり、より話しがしやすい環境を整えます。

座る位置は90度、もしくはハの字に。
※NG→迎え合わせや対面。緊張しやすくなります。

まず相手の緊張がほぐれるような話しから始めます。
これを「アイスブレイクトーク」と言います。
意味は、文字通り「氷を溶かすような会話」。
つまり、その場を和ませ、
コミュニケーションが取りやすい雰囲気づくりのための会話です。
相手が部下であれば、日頃の労をねぎらうような会話もいいでしょう。
商談相手なら、趣味やスポーツの話など、なにげない雑談でOKです。

会話中は相手の話すスピードや呼吸に合わせて話しをする(ペーシング)よう心がけましょう。
つねにラポール(信頼関係)形成を意識することが大切です。


き=「キャッチャーミット」
相手の話を受けとめるキャッチャーミットを準備します。

具体的には、会話中に相手を見て、相づちを打ったり、うなずいたりします。
これを「アクティブリスニング」(積極的傾聴)と言います。

相づちは「なるほど」「よく考えているね」など、
相手を承認する言葉を使います。
ハ行で受けとめるのも有効です。「は~」「ふ~ん」「へ~」「ほう」など。
※NGワード→「ハイハイ」「ほ~ほ~」など言葉の連続。
 (馬鹿にしているように感じを相手に与えてしまいます)

ミラーリング(相手の仕草をまねる)や、ページングで相手と同調し、
相手と一体感を持つのも大事。
相手の言葉をしっかりと受け止めているということを伝えられるでしょう。

「キャッチャーミット」のポイントは、
いかに相手に「自分の言うことをしっかりと聞いて、
理解しようとしてくれている」と
思わせられるような態度を見せるか、です。

 ※NG→相手を見ない
    空返事をする(話を聞いていなくて音を聞いている状態で返事をすること)



く=「繰り返す」
「バックトラッキング」して相手の話を繰り返します。

「バックトラッキング」とは、
相手が言った言葉をそのまま言い返すこと(正しく聴けているかの確認をする)
主に、下記のように3種類に分類されます。
  1. オウム返しのように同じ言葉を言い返す。
  2. 要点をまとめて言い返す。
  3. キーワードを選んで言い返す。

相手の言葉をこちら(自分)が繰り返すことによって、
相手の潜在意識(無意識)に、親密感を持たせます。

1の場合、たとえば、「ひいきのスポーツチームが勝ってうれしかった」と聞いて、
「うれしかったんですね」と繰り返すだけでいいのです。簡単ですよね。

2は相手の話が長くなったときに有効です。
要約する際、相手の使った言葉を言い換えず、そのまま使うことがポイント。

3は少し難しいかもしれません。が、成功するとかなり有効です。


相手と自分が同じ意見の時は同意しやすいし、会話の流れもスムーズです。
が、もし違う意見を持っている場合でも、
まずはバックトラッキングし、
相手の意見を一旦しっかりと受け止めたことを伝えてから
別の意見を言うようにしてください。
いきなり「ですが……」と切り返すのはNGです。

日常会話でも、ただ「うん。うん」とうなずくだけよりも、
キーワードを言い返すと、
相手の反応が変わりコミュニケーションがスムーズになります。
バックトラッキングも、ラポール形成には欠かせない重要なテクニックです。


け=「結論」
沈黙を恐れず待つ・結論を急がない・話の腰を折らない・話泥棒にならない・勝手に結論づけない、など。 

込めNG→自分から結論づけない。「つまりこういうことですね」などと言うこと。


こ=「心」
面談では心を聴くことが大切です。面談時間の80%を相手の話を聴く時間にあてましょう。

「聞く」は話(出来事)を聞く/「聴く」は気持ちを聴く
短い質問で相手の話しと気持ちを上手に引き出します。
適切な質問は、相手から情報やアイデア、解決法や意欲を引き出す
ことが可能になります。

①「オープン・クエスチョン」で自由に答えさせましょう。
(無数の選択肢の中から答えを導き出す)
例:「この間の休日は何をしましたか?」「趣味は何ですか?」など。
メリットとしては、相手が自由に話せるので会話が弾みます。

②「クローズ・クエスチョン」でYES/NOで答えさせましょう。
(整理をしたり、事実を確かめるのに有効)
例:「昨日、得意先を訪問しましたか?」「報告書は作りましたか?」など。
メリットは、YES/NOで簡単に答えられるので緊張している相手などにも有効です。

③「アズイフフレーム(As If)」で視点を変えて答えさせましょう。
「もしも○○だとしたら」(枠組みを外すのに有効)
例:「もしも、あなたが●●さんだったら…?」
      「仮に明日プレゼンするとしたら…?」など。

他にも、選択肢で選ばせる、数字で答えてもらうなどの質問方法があります。

最後に「ど」付きの質問も有効です。
※NG→「なぜ」は批判的に聞こえるので避ける。

例:相手を主語にしないで、事実・出来事を主語にします。
     ×「君は、なぜ目標達成出来なかったの?」
         ◎「目標達成出来なかったのが、どうしてかな(理由は)?」
     ×「君は、なぜこんな問題を起こした?」
         ◎「こういう問題が起きたのは、どうしてかな(原因は)?」


面談で大切なことは、「相手の話を聞く」に尽きます。
そして、自分が求めている話を相手から引き出すためには、
いかに相手が心地よく話すことができるか、にかかっています。
聞き上手というスキルを手にできれば、新しい未来の扉を開くことができるはずです。


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