軽井沢の千住博美術館を訪問しました。
森の光と緑に包まれた近代的な美術館で、
館内に足を踏み入れるとそこには光と自然が
満ち溢れていました。
穏やかなカーブを描く壁面と吹き抜けの空間が、
不思議な心地よさを漂わせながら千住アートの世界へと
誘導してくれます。
そしてそこは、日本画家千住博氏の作品と出会える
空間でした。
千住博氏は、京都造形芸術大学学長。
同大学付属康耀堂美術館館長。東京芸術学舎学長。
1958年生まれで(私と同い年‥)、出身は東京都。
作曲家の千住明氏は弟、バイオリニストの千住真理子氏は妹という芸術一家。
1987年、東京藝術大学大学院博士課程修了。
1995年に「第46回ヴェネツィア・ビエンナーレ」で名誉賞受賞。
これは東洋人として史上初の快挙だったそうです。
「The Fall」のために今回、
美術館に新たな展示室「The Fall room 」が増設されたということからも
作品対する氏の思いの強さがうかがえます。
「最良の方法で展示したい」という千住氏の意を受けて
空間をデザインしたのは、同館を設計した西沢立衛氏。
「地下宮殿」というコンセプトのもと、
地下空間にある地底湖の岸辺に作品が展示されているというイメージだそうです。
そして、今年6月5日より待望の一般公開がスタート。
「ヴェネツィア・ビエンナーレ」での公開後は倉庫に保管されていたため、
実に18年ぶりの一般公開だったとか。
「The FAll」は縦340cm、横1356cm。
墨絵のようにモノトーンで描かれた水流の絵画と
床に張られた水との競演が素晴らしい。
残念ながら警備員がいて写真撮影してお見せする事が出来ません。
ネットなどでスケールを意識しがら見ていただけるといいかと思います。
この夏の猛暑のせいなのか、私がとても気に入った作品は、
外部の光を完全に遮断した漆黒の空間で幻想的な姿を浮かび上がらせる「Night Fall」。
夜光塗料を使って和紙一面に描かれた滝が
ブラックライトに照らされて青白い輝きを放ち、実に幻想的なのです。(写真)
ひととき、灼熱の外界を忘れさせてくれるブルーの空間に魅了され、
なんと30分もお昼寝をしてしまいました。
今回は、涼やかなアートをみなさんにプレゼントします!
残暑厳しい折、つかの間の涼感を感じていただければ。
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