2014年5月7日水曜日

パリ&ロンドン 視察レポートその 7 「Merci(メルシー)」

一流メゾンが賛同。“エシカル消費” で時代の先を行くセレクトショップ 「Merci(メルシー)」。


パリでおしゃれなセレクトショップといえば、
真っ先に上げられたのが「コレット」でした。
ここ数年、その「コレット」を追随しているのが 2009 年にオープンした「メルシー」。 
新進クリエイターのショップが並ぶ北マレ地区の中心にあります。

「merci メルシー」は日本語で「ありがとう」。
高級子供服「 Bonpoint ( ボンポワン )」の設立者、
Marie France ( マリー・フランス ) と Bernard Cohen ( ベルナール・コ-エン ) 夫妻が
「ボンポワン」を売却後、“自分たちに出来ること”、
つまり社会貢献をコンセプトに 3 年半の歳月をかけて考えてオープンさせました。
 ショップ立ち上げのきっかけは「ボンポワン」のアトリエがあったマダカスカルの
貧困地域を見たときの衝撃だったそうです。 
メルシーの収益の一部はマダガスカルでの教育・発展を支援する基金
「le fonds de dotation merci」に寄付されます。 
これまでに、創業者コーエン夫妻による寄付と合わせて 
20 万ユーロ(約 2,800 万円)を超える資金が提供されているそうです。
 メルシーではショップを維持する必要経費を除いた売上金がすべて寄付されているとか。

売上から恵まれない子供達に寄付する「エシカル消費」というショップスタイルに
 Saint Laurent ( サンローラン ) 、Stella Mc Cartney ( ステラ マッカートニー ) 、
 香水の ANNICK GOUTAL ( アニック グタール ) 、 
フラワーの Christian Tortu ( クリスチャン トルチュ ) といった名だたるメゾンが賛同。
 マージンを控えた割安価格で商品が提供され、メルシーのユニークな品揃えが実現しました。

メルシーの商品セレクトには「ふつうであれば出会う機会のないオブジェやお客様を ひとつ屋根の下に集わせること」だとか。
 ヴィンテージ家具から最先端のアイテム、
ファッションのニューブランドから
すでに有名なコレクションが同じ空間に並んでいるのを見ると、なるほどと納得。

メルシーで買い物をすることによって私たち消費者も 
間接的に社会貢献できるシステムは、とてもステキだと思います。

赤いフィアットが置かれた中庭から入るショップの総面積は 1500 m²で、
 地下・1階・2階の3層で構成されています。
 吹き抜けで開放感たっぷりのエントランスフロアは、注目アイテムが期間限定で並ぶスペースに。
 私が訪れたときは「旅」がテーマのアイテムがセレクトされていました。
 1階にはそのほか、クリエイターブランドのファッションアイテムがズラリ。
 2階はインテリアやオブジェ、地下はキッチン・日用雑貨などがあります。
サンローランなどのハイブランドからベーシックでお手軽な価格のアイテムが 混在しながらもフランスらしいセンスでまとまっている点は、さすが。

2階には素材開発から手掛けたという雨や水に対応したウエアや雑貨が展開されていたのも ユニークだなと思いました。
また、国内ブランドに限らず、おしゃれでクリエイティブなものは 海外からも集められているメルシー。
ここ最近のパリでの日本ブームを受けてか、日本のプロダクト製品も充実。 
亀の子たわしに始まり、南部鉄の急須、ツバメノートや鯛のモチーフがアイコンの
東京の老舗石鹸メーカー「玉の肌石鹸」のウエルカムソープなどなど。
なかでも、おしゃれでカラフル、バリエーションが「mt」のマスキングテープも メルシーのヒット商品だとか。

天井まで空間を占拠する古本に囲まれたアンニュイでパリ的な空間のなか、
 穏やかな時間が過ごせる「Used Book Café」も素敵です。
カジュアルな食事をするなら地下の「Cantine Merci」へ。
有機野菜を使ったスープやサラダ、シャルキュトリーなどのヘルシーなフードが楽しめます。

カフェのメニューには南部鉄の急須でサーブされる日本茶もありました。

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