2014年5月21日水曜日

パリ&ロンドン 視察レポートその 8 「Collete(コレット)」

業界人が注視する唯一無二の老舗セレクトショップ「Collete(コレット)」。

Collete(コレット)」は世界最先端のモードの聖地・パリで 
最も有名なセレクトショップ。今年で 17 周年を迎える老舗で、
 つねに世界のファッション業界から熱い視線が注がれています。
 ショーウインドーや店内のディスプレイを見るだけで最先端トレンドが分かる、
と言われています。
私が訪れたときも店内にいるお客のほとんどが業界人という印象を受けました。 
とくに、パリコレ期間中などは多彩なブランドの注目アイテムが並ぶため、
 実に3000人近い集客があるというから驚き。

ショップはルーブル美術館にほど近いサントノレ通りにあります。
 エルメス、ランバン、ジバンシーなど一流メゾンが並ぶなか、
 いつも人でにぎわっているのがコレット。 
オーナーが「お店とは雑誌のようなもの」と言うだけあり、
 つねに最新のモードやカルチャーが集約された店内はファッショニスタには、かなり刺激的。
 加えて、コレットのモットーは「Always getting better 常により良く」だそうで、
 ショーウインドウなどのディスプレイや商品ラインナップは1週間ごとに変わるとか。 
ディスプレイを彩るのは若手のフォトグラファーやグラフィックアーティストの作品。 
店内はモードだけでなくアートも楽しめる空間になっています。

世界で初めて、シャネルやエルメスなどのハイブランドのセレクトを可能にしたのが
コレットだそうです。毎シーズン15ブランドのみをセレクトしています。
服はハイブランド中心のセレクトなので、価格はかなりお高め。

どちらかと言うとトレンド色は薄く、ブルジョワジー向けのラインナップという印象を受けました。
ブランドとのダブルネームのコレット限定品もあります。

今年1月には、ミキモトとハローキティがコラボした
ゴージャスなジュエリーコレクションをコレットで発表。
高いものでパールのネックレス約2900万円、
手軽なものでシルバーとパールのバングル約5万円などがお披露目され、日本に先駆けてコレットで先行販売されました。


地下にはウォーターバーがあり、カフェでスイーツを楽しむこともできます。

1 階は雑誌や CD、インテリア小物、スニーカーなどのギャラリースペース、

2 階は何十体ものマネキンが並べられ、専属のスタイリストが定期的にコーディネイトして 
いるので必見です。

2012 年はオープン15周年を記念して、さまざまなイベントを開催。
 ショーウインドウには、25人のアーティストがボトルデザインを手がけた
クラランスの香水「オーディナミザント」が展示されました。 
これらは展示修了後、オークションで販売され、売上金は子どもたちのために活動する女性に 
クラランスが毎年贈る「ファム・ディナミザント賞」の支援金として寄付されたそうです。 
また、パリコレ後にパリのチュイルリー公園で「コレット・カーニバル」を開催。 
100ブランド以上のブースが並ぶおしゃれの祭典をパリジェンヌたちは楽しんだとか。

住所 : 213, Rue Saint-Honore, 75001, PARIS URL:http://www.colette.fr/
電話 :+33(0)1 55 35 33 99
営業時間 : 11:00-19:00

休業日 : 日・祝
アクセス:Tuileries (メトロ1号線)から徒歩約3


2014年5月7日水曜日

パリ&ロンドン 視察レポートその 7 「Merci(メルシー)」

一流メゾンが賛同。“エシカル消費” で時代の先を行くセレクトショップ 「Merci(メルシー)」。


パリでおしゃれなセレクトショップといえば、
真っ先に上げられたのが「コレット」でした。
ここ数年、その「コレット」を追随しているのが 2009 年にオープンした「メルシー」。 
新進クリエイターのショップが並ぶ北マレ地区の中心にあります。

「merci メルシー」は日本語で「ありがとう」。
高級子供服「 Bonpoint ( ボンポワン )」の設立者、
Marie France ( マリー・フランス ) と Bernard Cohen ( ベルナール・コ-エン ) 夫妻が
「ボンポワン」を売却後、“自分たちに出来ること”、
つまり社会貢献をコンセプトに 3 年半の歳月をかけて考えてオープンさせました。
 ショップ立ち上げのきっかけは「ボンポワン」のアトリエがあったマダカスカルの
貧困地域を見たときの衝撃だったそうです。 
メルシーの収益の一部はマダガスカルでの教育・発展を支援する基金
「le fonds de dotation merci」に寄付されます。 
これまでに、創業者コーエン夫妻による寄付と合わせて 
20 万ユーロ(約 2,800 万円)を超える資金が提供されているそうです。
 メルシーではショップを維持する必要経費を除いた売上金がすべて寄付されているとか。

売上から恵まれない子供達に寄付する「エシカル消費」というショップスタイルに
 Saint Laurent ( サンローラン ) 、Stella Mc Cartney ( ステラ マッカートニー ) 、
 香水の ANNICK GOUTAL ( アニック グタール ) 、 
フラワーの Christian Tortu ( クリスチャン トルチュ ) といった名だたるメゾンが賛同。
 マージンを控えた割安価格で商品が提供され、メルシーのユニークな品揃えが実現しました。

メルシーの商品セレクトには「ふつうであれば出会う機会のないオブジェやお客様を ひとつ屋根の下に集わせること」だとか。
 ヴィンテージ家具から最先端のアイテム、
ファッションのニューブランドから
すでに有名なコレクションが同じ空間に並んでいるのを見ると、なるほどと納得。

メルシーで買い物をすることによって私たち消費者も 
間接的に社会貢献できるシステムは、とてもステキだと思います。

赤いフィアットが置かれた中庭から入るショップの総面積は 1500 m²で、
 地下・1階・2階の3層で構成されています。
 吹き抜けで開放感たっぷりのエントランスフロアは、注目アイテムが期間限定で並ぶスペースに。
 私が訪れたときは「旅」がテーマのアイテムがセレクトされていました。
 1階にはそのほか、クリエイターブランドのファッションアイテムがズラリ。
 2階はインテリアやオブジェ、地下はキッチン・日用雑貨などがあります。
サンローランなどのハイブランドからベーシックでお手軽な価格のアイテムが 混在しながらもフランスらしいセンスでまとまっている点は、さすが。

2階には素材開発から手掛けたという雨や水に対応したウエアや雑貨が展開されていたのも ユニークだなと思いました。
また、国内ブランドに限らず、おしゃれでクリエイティブなものは 海外からも集められているメルシー。
ここ最近のパリでの日本ブームを受けてか、日本のプロダクト製品も充実。 
亀の子たわしに始まり、南部鉄の急須、ツバメノートや鯛のモチーフがアイコンの
東京の老舗石鹸メーカー「玉の肌石鹸」のウエルカムソープなどなど。
なかでも、おしゃれでカラフル、バリエーションが「mt」のマスキングテープも メルシーのヒット商品だとか。

天井まで空間を占拠する古本に囲まれたアンニュイでパリ的な空間のなか、
 穏やかな時間が過ごせる「Used Book Café」も素敵です。
カジュアルな食事をするなら地下の「Cantine Merci」へ。
有機野菜を使ったスープやサラダ、シャルキュトリーなどのヘルシーなフードが楽しめます。

カフェのメニューには南部鉄の急須でサーブされる日本茶もありました。