2013年11月20日水曜日

初頭効果と親近効果の違いを知っていますか?

初頭効果は物事のはじめが印象に残りやすい現象のことで、
親近効果は反対に一番おわりが印象に残りやすい現象です。

正反対の意味を持つ現象ですが、この2つはセットで覚えておくと
コミュニケーションに活用できます。

まず、初頭効果ですが、

ポーランドの心理学者アッシュが学生を対象に実施した実験があります。
学生たちを2つのグループ(AとBします)に分け、
彼らが初めて会う男性について、事前の説明をグループごとに別の言い方でしたそうです。
Aのグループには、
「彼は知的で、勤勉で、衝動的で批判的で、強情で、嫉妬深い人です」。
Bのグループには
「彼は嫉妬深くて、強情で、批判的で、衝動的で、勤勉で、知的な人です」。
お分かりですね? 同じ言葉の順番をAとBで変えてみただけなのです。
その結果、
Aのグル―プは「彼」に良い印象を持ち、Bのグループは悪い印象を持ったとか。
最初の2つの言葉の選びかたで同じ人物に対する印象が正反対になるわけです。

この実験でも分かるように一番最初に聞いた言葉は記憶に残りやすく、
その後の判断基準にもなるのです。

以上のことから、ビジネスシーンにおいて
取引先の相手と初めて会うときの最初の数秒がいかに大切か、
分かっていただけると思います。
初対面で好意を持ってもらえなかった場合、
印象をプラスに変えるのは至難の技なのです。
その逆もまたしかり。
たとえば、男女の場合、ひと目惚れをしてしまった相手の良くない評判を後で他人から聞かされても、
なかなか恋の魔法が冷めないように。

次に親近効果は、

親近効果は初頭効果とは正反対で、
物事の最後に起こったことが記憶に残る、という現象です。

仮に初対面で失敗したとしても、
会合の終わりや別れ際などに挽回できれば、相手にいい印象を与えることができます。
「終わり良ければ全て良し」という言葉はありますが、
ハッピーエンドの物語が多いのはこの親近効果に由来します。
そのことから終末効果とも呼ばれます。

では、次にビジネスシーンなどでの活用方法をご紹介しましょう。

まず、初頭効果を上手に利用したい場合、

重要な情報を最初に持ってくるようにします。
例えば営業やプレゼン、メールレターの場面で
一番最初に顧客の興味を引くような内容を伝える。
見込み客を増やしていくために有効です。

一方、親近効果の場合はその反対で、
重要な情報を最後に持ってくるようにします。
重要な情報と言うのはセールスポイントのことですね。
フィナーレで顧客を惹きつけ、すかさず商談へと移行するようにします。

ここで少しわからなくなるのは、
結局、最初と最後どっちが大事なの?ということ。

最初にガツンとインパクトを与えないと
顧客はそのまま去ってしまう恐れもあるわけです。
相手を繋ぎ止めるには出し惜しみはできません。
一方ある程度、こちらの起業や商品に関心がある顧客に関しては、
一番重要な情報を最後にすると「何をまどろっこしいことを!」と
相手をイラつかせてしまうことがあるかもしれません。

何より大切なことは、相手と自分の関係をよく見極めること。

使い方さえ間違えなければ、対人関係の大きな武器になるはずです。

2013年11月11日月曜日

「承認」スキルを上手に活用しましょう
人間関係を円滑にし相手を元気にする魔法のコミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルの一つである「承認」スキル。
具体的に言えば、相手に現れている変化、成長、成果などに気づき、
そのことを言葉で相手に伝えることです。
たとえば、相手を「褒める」という行為もその一つですね。

「承認」を英語で言うと「Acknowledgement(アグノレッジメント)」。
「受け取ったことを知らせる」「気づいたことを示す」という意味があります。
そのためには、まず、相手に心を向けて観察することが大切です。
「こんなところまで見ていてくれた!」と思ってもらえるような言葉を
かけることで、相手に「承認」を伝えることができるのです。

では、「承認」はどのように伝えればいいのでしょうか?
まずは相手を尊重し、気づいたことをはっきりと言葉で伝えます。
それは、日常の中のほんの小さなことでいいのです。
たとえば職場であれば、
「今日はいつもより早く出社していたね」
「報告書の作成が速くなったね」…など。
呼びかけるときに相手の名前を加えるとより効果的です。
「自分を見ていてくれる」という実感を相手に与えることができ、
「自分はこのグループの一員なんだ。自分の居場所がここにあるんだ」と思えるからです。

職場での承認には以下のようなものがあります。
・挨拶をする  ・声を掛ける  ・名前を呼ぶ   ・お礼を言う  ・変化を伝える
・労をねぎらう ・意見を求める ・信頼して任せる ・役割を与える ・成功談を聞く
・相談をする  ・目標を聞く  ・将来の事を聞く ・家族を気遣う ・人に紹介する
他にも、「メールにすぐに返信する」ことや相手との約束の時間を守ることなども
あげられます。

次に「承認」の伝え方ですが、主なパターンは3通り。
ひとつめは
「あなたはよくやってる」のように相手が主語の[You]メッセージ。
相手を褒めるときなどに使います。
ふたつめは、
「私はとても嬉しく思った」のように私が主語の[ I ]メッセージ
これは相手を認め、そのことについて自分が感じたことをプラスした伝え方です。
みっつめは
「私たちはこう思っています」など、我々が主語の[We]メッセージ。
一緒にいる人達の実感やその場所への影響を伝えます。

[YOU]メッセージの場合は
「あなたは頑張っている」など、観察した相手の状態についてのみを
話すことになりますが、
[I]メッセージは、「あなたの頑張っている姿に私も刺激を受けた」など、
相手の観察→自分の気持ちという2段階の承認を相手に伝えるので、
少し高度になりますが相手の心には強い印象を与えます。
そして[WE]メッセージになると、
「あなたが来てくれてから私たちの仕事がはかどっています」と言ったぐあいに
相手の存在がその場にいるみんなに影響を与えていることを
伝えるので、言われた人はとてもうれしく感じるはず。
結果として、心の距離もぐんと縮まるでしょう。
ただし、[We]メッセージはある程度共感づくりに成功した相手でないと
唐突すぎて相手に不快感を与えてしまうかもしれないので使うシーンをよく考えて。

人は、だれかに認められていることを実感できると
嬉しくなり、明るく元気になります。
職場や、家庭で、承認はモチベーションを上げたいときに効果的。
相手のやる気や自発性を促し、お互いの信頼関係をつくる基盤にもなります。
「承認」スキルを少し意識して使ってみてください。

人間関係の悩みを少し軽くできると思います。