創業時の1960年代のイメージに回帰しつつ
新しいイメージ展開を進めている、「クレージュ」。
クレージュは1961年にアンドレ・クレージュによって設立。
当時、未来的でモダンなデザインが注目を集め、
ファッションの表舞台に飛び出した。
とくに、1965年にミニスカートをオートクチュールファッションとして
発表したことが、世に衝撃を与えた。
それまで、オートクチュールの世界では隠されていた膝や太ももを露出させることで、
ハイファッションに新たなエロティシズムの風を吹き込んだのだ。
ミニスカートの登場は、ストリートファッションがハイファッション、
そしてマスファッションに波及した象徴的な出来事だった。
日本では、1967年にモデルのツィッギーの来日により、
彼女が履いていたことでミニスカートが一大ブームに。
クレージュは、幾何学的な服のシルエットやビニールなど
独特の素材を採用した近未来的なディテールでも時代をリード。
幾何学ラインでは、ボディメーキングというより、建築的な裁断法により
ウエストラインを強調することのない直線的なシルエットが斬新だった。
当時、他のデザイナーも同じ方向へ進んで行ったが、
クレージュほど一貫して合理的なシルエットを追求したデザイナーは存在せず、
ブランドイメージを確立していった。
パリ・フランソワ通りの旗艦店には、
ヴィンテージコレクションを販売する「クレージュ・ミレジム」が併設され、
新たにアラン・デュカスがメニューを監修する「カフェ ブラン」がオープン。
さらに、「ギャラリー ラファイエット」ではポップアップショップを展開中。
先月、パリに行った際、そのショップを視察した。
そのスポーティーでモダンスタイリング、
明るく奇抜な色彩が目を引いた。
60年代の色調、計算された構成的なデザインには、
懐かしさよりも新鮮さを感じることができる。
日本でも3月6日から
伊勢丹新宿店2F「DACADE」コーナーで再デビューを果たす。
60年代ポップファッションは今シーズン、一番気になるトレンドのひとつ。
かつて一世を風靡したように、クレージュは再び世界を魅了することができるか、
これからも目が離せない。
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