2015年12月28日月曜日

無彩色の黒は、無個性の色。

就活中の若者はひと目でそれと分かる。とくに女子は分かりやすい。理由はほぼ全員が黒の定番スーツを着ているからである。就職指導のマニュアルにも、そう書かれている場合もあるだろう。ただ、ファッション・コミュニケーションのルールからすると「無難な黒のスーツ」は、いちばん難しいアイテムともいえるのである。
 「黒」とひと言でいっても生地や染めかたによって実にさまざまな色合いがあるのだ。漆黒の黒もあれば、墨色のような黒、少しぼやけたような黒もある。黒のスーツを着た人が並んだとき上質のスーツか否かが分かりやすいのも、黒のスーツである。
 第3章でも述べたが心理学的に黒は何か隠したいときに使う色である。就職活動という場においては初対面の相手に長所・魅力をアピールしなければならない場で「隠ぺいの黒」を着ることは避けたほうがいいというのが私の持論である。企業の係員に「どこか、わかりにくい人だ」という印象を与えてしまいかねない。
 ただ「黒」を着るのは避けられないとすれば、上等の黒を着るべきであろう。就活は人生における大切な儀式であり、妥協する必要はない。就活という勝負に勝とうと思ったら、それなりの勝負服、いや「戦闘服」を着るべきだ。
 面接は、つねに一度きりの真剣勝負で与えられる時間はごく僅かだ。瞬間で相手に好印象を与えられなければ、次は無い。そのために大事なのは「3S」で「清潔・清楚・作法(マナー)」であることを覚えておいて欲しい。

あなた自身もプレゼンテーションのツールのひとつ

知り合いの広告代理店勤務の女性が次のようなことを言っていた。
「最近の女子は、プレゼンテーションのとき、いつも黒スーツのような気がする。それって、いかがなものか」。
就職活動でも黒スーツ、プレゼンテーションでも黒スーツ……。黒スーツはワーキングウーマンの免罪符になっているようだ。若い女性ほど、黒色に対する何かしらの信頼があるように見受けられる。ちょっとした会合に出るときにも黒のコーディネートが多い。若い女性どうしの集まりであるなら黒を着ていけばおしゃれに見えるということもあるのだろう。しかし、日本人でほんとうに黒が似あう人は意外に少ないことはあまり知られていないようだ。パーソナルカラーでいえば、ウインタータイプの人。このタイプなら黒でもじぶん自身の存在感が消えることは少ないはずである。だが、ほかのカラ―タイプ(スプリング、サマー、オータム)の人の場合は印象操作が難しくなる。
 プレゼンテーションのファッションのポイントは、頭を使うことである。プレゼンの内容を考えたうえでファッションを選択する必要がある。たとえば、私の場合、ファッションに関するプレゼンがほとんどなのでプレゼン内容に合わせた服を着用する。そうすれば、プレゼン中に「たとえば、今日、私が着ている服のような……」と話題にできる。プレゼンに臨むときはじぶんのファッションもビジネスツールのひとつとして考える。
 加えてこだわりの小物を持つのも有効である。何かひとつ、会議の席で身のまわりにじぶんらしさを映す小物を置く。私の場合はオレンジ色の小物にしている。オレンジ色のペンケース・名刺入れ・眼鏡ケースなどである。理由は、オレンジは私のマインドカラ―であるからだ。オレンジを持つことで私もパワーが得られ、相手に与える印象操作もしやすくなる。じぶんのマインドカラ―の小物をひとつ、用意することをお勧めする。ファイルやペンなどのステーショナリーグッズ、書類を出すビジネス用のバッグ、時計……。プレゼン中などに仕事相手が見るともなしに視界に入れているようにする。それだけでも、相手の無意識にあなたという人間のちょっとした特徴が刷り込まれているのだ。
 全体のトータルコーディネートとしては5色以上は使わないという配色のルールを守る。眼鏡やアクセサリーなどは、ゴールドやシルバーなどのメタル色を揃えておく。
 基本、じぶん自身もプレゼンテーションの一部であり、その場に存在する全てがコミュニケーションツールになることを忘れないでおこう。

2015年12月16日水曜日

ただ着ているだけのファッションは一方通行である

「あなたの顔以外、残りの9割は服なのだ」と言われて、どう思うであろうか? 「私はじぶんも相手も内面で評価する!」と息まく必要はない。これは単なる事実を言っている言葉なのだ。つまり、文明社会で暮らしている我々は、ふだんの生活において首から下は服や靴、小物で肌は覆われているはず、という意味である。そう考えたとき、「ファッションに興味はない」と言い切ってしまえば、自身が他人の目に映っている9割を「どうでもいいや」と言うことにもなるのだ。つまり、「ヒトからどう思われようと、かまわない」と言っているのも同じなのだ。孤独を好んで生きられる環境、たとえばどこにも属さない孤高のアーティストなどであれば、それも許されるだろう。ただし、学生であったり、会社勤めであったり、いろんなヒトと会わなければいけない職業などであれば、少しでもいい印象を与えたいと思うのではないだろうか。
 ヒトとのコミュニケ―ションは現代社会を生きる基本条件と言える。周囲から「こんな風に見られたい」と思う自身を、ファッションという非言語のツールで発信することは、充実した毎日を送るうえで重要な要素となる。それこそが「ファッション・コミュニケーション」なのである。そのためには、ただ単に「似あうから」「こんなテイストが好きだから」「流行りだから」という理由で服を選んでいた過去とは決別する必要がある。
 まず「なりたいじぶんが着る服」をしっかりとイメージして服をコーディネートすることだ。前述した「モデリング」や「条件づけ」を活用するのも有効だ。そして、「なりたい自分」は「ファストファッションを着た、どこにでもいる不特定多数の人間」、「雑踏に埋もれてしまい、だれの記憶にも残らない人間」ではないということを再認識しておく。
 「ファッション・コミュニケーション」は、じぶんが意識せずに発信しているのか、またはきちんとコントロールして発信しているのかによって周囲に与える影響や反応が変化する。流行に敏感になるよりも、自身を一度、じっくりと見つめ直すことが鍵となる。「どうなりたいのか」「どう見られたいのか」という命題をクリアにしておくべきである。もし、はっきりとした答えがでないときは、「モデリング」をしてみる。憧れの芸能人や有名人のファッションスタイルをとにかく模倣することから始めてみる。その場合、なるべく自身の容姿や全体のイメージが近い対象を選ぶとモデリングがスムーズである。

 自分が発信したいイメージに合ったファッションが選択できれば、次は実際に誰かと対面し、相手の反応をじっくりと観察してみる。好感触が得られれば、そのファッションはきちんと意図を相手に伝えてくれているのである。期待しない反応であれば、ファッションの手直しが必要ということである。何度か繰り返すことで進むべき道が見えてくるはずだ。ファッションでのコミュニケーションも楽しくなることだろう。

2015年12月9日水曜日

ブランドパワーの本質とは

ある心理学の実験がある。対処は3才から6才の子ども43人。彼らに3次元コピー機を「どんなモノでもコピーできるんだよ」と説明し、実際に見本のオモチャのコピーをして見せた。それを見た子どもたちの反応が面白い。コピーのおもちゃに大興奮した彼らは、オリジナルのおもちゃよりコピーに対して喜ぶ傾向にあったそうだ。ところが、次に同じ子どもたちに「きみたちの大事なおもちゃを同じようにコピーしてあげよう」といったとき、ほとんどの子どもがそれを拒否するという結果がでたそうだ。オリジナルだからこそ、価値がある。愛着があるし、じぶんの好みにしっくりくる。手になじむ……。オリジナルのものを手にしたときに得られる高揚感を人は好むのである。
 ファッションについても同じことがいえるのではないだろうか。好きなブランドのアイテムを手にしたときの幸福感は格別である。もし、それがコピー商品であったら? デザイン的な相違に差がなかったとしてもオリジナルが人に与える審理的作用は望めないであろう。「コピー商品をさも本物のように偽って見せる」というような使いかたをすれば、卑屈な体験にもなることだろう。
 一流ブランド品にはデザイナーや職人のこだわりやプライドという背景がある。生地や皮の色、厚さ、縫製の仕方など隅ずみまで計算され、唯一無二のものだという作り手の自信が存在意義を高めている。そこで提案したいのが「じぶんに自信がないときほど、一流ブランドの力を借りてもいいのだ」ということである。つまり「虎の威を借る」のである。たとえば、それを実行しているのが液晶画面の向こう側にいる芸能人や有名人なのである。彼らは競争の激しい世界で少しでもじぶんの存在価値を高めてライバルに勝つために、より上質のブランドの力を借りているのである。この方法は、かなり有効である。ブランドによる条件づけで、仮のパワーを得てじぶんを大きく見せる。最初は仮のパワーでも、やがてはじぶんの栄養になり、じぶんを変化させるきっかけ作りにもなるはずだ。

2015年12月2日水曜日

なりたいじぶんになるために~よりよく生きるためのファッションとは〜

★じぶん探しとファストファッション

人は何のために、何を目的として生きているのだろうか。
たとえば、「社会に貢献するため」、もしくは「子孫を残すため」かもしれない。または「日々、何かを学んで成長するため」という人もいるだろう。人によって、その人生観は実に様々であろうし、この命題の答えを模索し続けることこそ、生きるということだとも言える。
 「何のために生きるか」は、心理学や哲学における不変のテーマのひとつでもある。なぜか。つまり、じぶんの人生の目的を明確に持っている人はごく僅かなのである。では、なぜ人という生き物はこれほどじぶん自身のことが分かっていないのだろうか。
 視点を変えて、ここで「モラトリアム」という心理学用語について考えてみよう。語源はラテン語の「mora(遅延)」「morari(遅延する)」で、もともとは経済学用語の「支払猶予期間」のことだったそうだ。心理学者エリク・H・エリクソンが「青年が大人になるまでに必要とする猶予期間」という意味で心理学に導入したのである。
 青年期、「じぶんはどうやって生きていくのか」「じぶんがほんとうにやりたいことは何か」などを自身に問いかけ、悩むことで自己のアイデンティティーを確立していく心の動きがある。そのなかで得られた「これこそじぶんが求める人生の目的だ」という実感を「自己同一性=セルフ・アイデンティティー」と言う。つまり、思春期から人は「何のために生まれてきた?」「将来、どんな仕事をしたらいい?」「どうして、友だちのAさんと私はこんなに違うのか?」といったことを考えはじめ、悩むのであるが、これは大人になるための通過儀礼のひとつである。エリクソン自身が生涯、じぶんのアイデンティティーの確立に悩んだことから「モラトリアム」や「自己同一性」の概念を生みだしたと言われている。少し話は逸れるが、エリクソンについて、少し解説をしておくと、彼は母親が初婚のときに不倫をしてできた子どもだったと言われている。彼の母親は、生きている間にエリクソンの出生の真実を告げることはなかったらしい。そのため、母の再婚相手(エリクソンにとっての義理の父親)を本当の父親だと誤解したエリクソンが父とじぶんがあまりにも似ていないことで、じぶんのルーツへの疑問に生涯、悩むこととなった。
 エリクソンのような複雑な生いたちは稀なケースだとしても現代人は、つねにじぶん探しをする生き物という印象が強い。慶応大学の小此木教授も「本来は青年期だけの、つまりモラトリアム特有の悩みに対して大人になっても答えを探し続けていることが多くなった」と指摘している。教授の執筆による「モラトリアム人間」なる本の出版は1970年代のことで当時、かなり話題になった。
 なぜ、大人になりきれない人間が多いのかについては以下のように考察する。いろいろと頭のなかでシミュレーションはするものの、実際に行動に移すことが少ないため、現実での経験値が不足しているためではないだろうか。
 では、なぜ、行動することができないのか。その理由のひとつに「リスクを負いたくない」という恐れが考えられる。リスクを冒して失敗するのを回避したいがため、個の世界にひきこもっているのではないか。
 現代の20~30代を指して「低温世代」という言葉がある。就職氷河期にやっとの思いで就職した世代であり、たとえば本心では転職を希望する事態になったとしても、再度大変な思いをして仕事を探さないといけないという恐怖から現状維持に甘んじてしまいがちなのが特徴とされる。彼らの多くは競争を好まず、身の丈にあった「ほどほどの幸福」で満足している。そんな彼らの選択肢の少なさは、実体験の少なさに起因しているのではないだろうか。これまでの人生のなかで何かに挑戦した経験が少なければ、おのずと成功体験も限られる。成功した達成感や充実感をあまり得た経験がなければ、たった一度の失敗でも心理的ダメージは大きいだろう。「また、あんな思いをするのはイヤだ……」という思いから、未来への期待よりも現状の平和を維持する道を選んでしまうのである。
 失敗することはそれほど悪いことではない、ということを若者達に分かりやすく伝えることが、今の世の中には必要なのであろう。失敗体験を経て人は少しずつ強くなれる。折れにくい心が育めるのである。苦しみを経験するたびにじぶんがどんな人間が少しずつわかっていく。モラトリアムに勇気を持って向き合うことで自己同一性を確立し、大人としての内面の強さが育まれるのである。
 近年、巷で市民権を得ているファストファッション。ファストファッション(fast fashion)とは、トレンドを採り入れた低価格の衣料を短いサイクルで大量生産・販売するファッションブランドやその業態を指す(出典元:ウィキペディア)。早くて安くておいしいファストフードにちなんだ造語で、2000年代半ばころから認知されるようになったとされる。このファストファッションの台頭がファッションと人との関わり方にモラトリアム現象を発生させているのではないか、と筆者は考察する。
 かつて日本のファッション業界において製造・流通・販売はそれぞれ独立したものだった。その一連の流れを1社で行うことにより、スピーディーで低コストゆえの低価格商品が販売できるようになったのがファストファッションである。バブル崩壊後、デフレが進んだ日本において、まさに時代の申し子のようなファッションであった。「洋服代をできるだけ抑えたい。でも、トレンドも意識したい」という時代のニーズを捉え、近年の急成長になった。
 ファストファッションは、手ごろな価格・気軽なファッションという魅力がある反面、とかく着捨てファッションになりがちである。その要因は低価格ゆえの耐久性に欠けた素材・トレンドを反映した一過性のデザインの服、などが挙げられる。
 では、ファストファッションが時代を席捲する前の流行は、どうであったか? いわゆるDCブランドのブームも含めたモード系のファッションであった。モード(mode)とは、もともとフランス語で流行やファッションを意味する。モード系ファッションとは、コレクションで発表される最新のファッションを指し、特徴はデザイナーやブランドのオリジナリティやクリエイティビティを反映している点であろう。かつてのDCブランドブームの時代において、ファッションとは「いかにヒトと違う装いをするか」がテーマであった。なぜなら、モード系のブランドは、流行を追うのではなく、作りだすことが命題であったからだ。素材や縫製などにこだわった上質のアイテムはどれも高価格であり、一部の富裕層以外、ファッションに好感度な人間は選択を重ねて購入する必要があった。欲しい服をある程度、大量購入できるファストファッションとの大きな相違点であろう。
 ファストファッションとモード系ファッションのどちらを選択するかは、個人のファッションに対する捉え方や費用対効果によって様々であろう。ではあるが、ファストファッションで満足しているとファッションに対する感性が磨かれることはないのである。
 たとえば、ファストフードばかり食べている人間について考えてみよう。お世辞にも健康的とは言えない。もし成長期の子どもであれば栄養も不足しがちである。ファッションでも同じことが言える。ファストファッションばかりで満足していた場合、おしゃれに関する素地が育まれにくくなり、上質に対する感性も磨かれる機会も無くなるのである。
 じぶんに似合うファッションを探している間はいわば、ファッション・モラトリアム時代といえよう。その期間、ファストファッションはもちろん、多様なファッションを試すという冒険心も必要なのである。ファッションはいろいろなシーンや対面する相手によって変化する必要がある。さまざまな経験を踏まえてこそ「この場面には、このファッションである」というノウハウを得ることが可能となり、その後の選択も容易になる。
 「じぶんはじぶん以外の何者でもない」という意識が何よりも重要である。すべての人は世界にただ一人のユニークな存在であってしかるべきなのだ。だれもがすぐ手にできるお手軽ファッションはユニークな存在を「十把一絡げ」の存在として語ってしまうかもしれないということを認識すれば、ファッションと人とのつきあい方は変わっていくはずである。

2015年11月18日水曜日

セルフプロデュースですっきりボディを手にいれる ②

■「ウエストまわりをすっきりと」という場合……
あまりウエストを強調しないようにしましょう。ウエストを太いベルトでマークするようなワンピースやベルト付のトレンチコートなどは避けるほうがいいでしょう。ただし、「細いウエストが自慢で協調したい!」という場合、これらのアイテムは有効となるので、どんどん活用してください。








(図)ウエストが強調されるライン。
  (ex.ウエストをマークして強調する着こなし)


「バストを小さく見せたい」という場合……
衿の開き方が深めのVネックや衿を大きく開けたブラウスなどが有効。トップスのバストラインに切り替えがあったり、ダーツが入っているものはバストに視線を集めてしまうため協調することになるので避けたほうが無難。横のボーダーも上半身を大きく見せてしまいがちなのでお勧めしません。






(図)バストがすっきり見えるライン。
ex.ジャケット、Vネックのトップス着用)



■「ヒップをすっきりみせたい」場合は……
トップスの丈が重要。ちょうどヒップの一番高いところに丈の長さがくるトップスは、ヒップのサイズを強調してしまうので危険でしょう。ウエストラインより少し下ぐらいの丈を選ぶのがおすすめ。ウエストラインから下にフリルをつけたペプラムデザインも効果的です。あまり女性は着る機会がないタキシードも、裾のカットが逆V字型になっているので意外と有効なアイテムなのです。ご参考までに。






(図)ヒップがすっきり見えるライン。
  (ex.ペプラムデザインのトップス、タキシードな ど)

※(補足)ヒップが強調されるNGなライン。(上着の長さ)

2015年11月11日水曜日

セルフプロデュースですっきりボディを手にいれる①

 結局のところ、服の着かたやコーディネートの際、女性が気にするのは、
「いかにスッキリみえるか」
「いかにスタイルよくみせるか」
に、尽きます。体型によっては、
「華奢すぎるので、ふくよかにみせたい」
という場合もあり得ますが、その場合はスッキリみせるコーディネートの逆のパターンを活用すればいい訳です。
 というわけで、ここからはスッキリとスタイルよくみせるコーディネートのテクニック、つまり着やせのテクの基本として「プロポーションライン」の効果を紹介していきます。

■「からだの丸みを強調したくない」「スラリとみせたい」という場合……

縦のラインを強調するようなコーディネートを。たとえば、前身頃の縦のラインにボタンが並んでいるコートドレスなどは定番と言えそうです。縦にラインが入っていれば視線は上から下へ動き、横方向には視線が動かないのでほっそり、すっきりして見えるのです。いわば、視覚のトリックを利用するわけです。






()縦にスマートに見えるライン。(ex.コートやワンピースなど)


■「下半身をスッキリみせたい」という場合……
パンツスタイルを。足の太さがわからないというメリットもあるが、何よりパンツで縦のラインを作れるのですっきりと見えます。






(図)下半身がスマートに見えるライン。(ex.パンツを着用する)


■「上半身」をスマートに見せたい場合……
前身頃にボタンが並ぶジャケットスタイルを選ぶこと。打ち合わせはダブルよりシングルのほうが、よりすっきりと見えます。ポケットがたくさんあるサファリジャケットなどは縦のラインがハッキリしなくなるのであまり効果的ではないでしょう。






(図)上半身がスマートに見えるライン。(ex.ブラウス、カーディガンなどを着用)

またはトップスに斜めに走るラインをつくるといいでしょう。たとえば、カシュクールデザインのセーターやブラウス、斜めにラインが入ったプリント柄も有効。着物も着合わせが斜めなのですっきりと見せる視覚効果が期待できます。ミスコンテストの出場者や政治家がつけるタスキも、実はすっきり見せるという効果を狙っています。






(図)上半身がスッキリ見えるライン。(ex.カシュクールデザインのトップス、きものの打合せなど)



2015年11月4日水曜日

小顔じゃなくても、ステキになれる

2014年、若者がSNSに投稿する自撮り写真や女性ファッション雑誌の表紙などで一大トレンドとなったのが“虫歯ポーズ”。片手を頬に当てて、目を大きく見開き、正面から写真を撮るというのが定番。女性の間でブームとなった理由は「小顔に見えるから」だそうです。イギリスのデイリーメール紙やテレグラフ紙でも取り上げられ、「日本では小顔が魅力的だとされている」と解説されたようです。つまり、イギリスなど欧米では小顔は美しさの条件には入っていないため、日本人の価値観が新鮮であり、ニュース性があったというわけです。
 なぜ、日本では「小顔=スタイルがいい、美人」という方程式が浸透したのでしょうか? 一説によると日本人は欧米人と比べて平均身長が低く、骨格も華奢な人が多いため、顔が小さいほうがいわゆる八頭身美人にバランスが近づくから……であるようです。80年代アイドルで小顔代表の小泉今日子さん以降、安室奈美恵さん、観月ありささん、吉川ひなのさん、佐々木希さん……などの登場も、小顔が美人の条件へと定着するきっかけになったようです。ちなみに、パリのルーヴル美術館所蔵で世界的に有名な「ミロのヴィーナス」像も八頭身で作られているようですので、ヒトが美しいと感じる全身のベストバランスが八頭身であると言っても差し支えはなさそうです。
 身長が高ければおのずと八頭身に近づけるのでしょうが、小柄な方やそれほど身長が高くない人であれば小顔であったほうがスタイルがよく見える訳です。とはいえ、成人以降はそれほど身長が伸びることはなく、顔の大きさもほぼ決まってしまっているのが現状。そこで、鏡を見てため息をついてばかりでは、問題は解決しません。ここでは、顔のカタチ&体型のよくある組合せをサンプルとし、服の選びかたの一例をご紹介します。




顔のタイプ別に似合うアイテム

2015年10月28日水曜日

悩みをカバーしてくれる着こなしのテクニック

では、前回確認したじぶん自身のデータをもとに以下、じぶんのウィークポイントだと思う項目をご参照ください。

❤小柄(身長155cm以下)なことが悩みの場合
小柄な人はトップスとボトムスのバランスが重要。目線をなるべく上半身に集めることで背の低さから注意をそらすことができます。デザイン性のあるアイテムを着る場合はトップスにして、下半身にいくほどシンプルな着こなしをおすすめします。色は最小限にまとめると全体がスッキリと見えます。アクセサリーやバッグなどの小物類については、大きさがポイントです。大ぶりのアクセサリーをコーディネートすると大人の物を借りてきた子どものようになってしまいかねませんのでサイズ感が重要です。

小柄な人のコーディネートのポイント
・使う色は2~3色まで
・トップスとボトムスの色の濃さをそろえる
・アクセントとなるアイテムは上半身に
・全身のシルエットは逆三角形になるように
・下半身にはスッキリ見えるような色や形を合わせる

小柄な人のNGアイテム
・大きな衿、袖、ボタン
・ボトムに大きなポケット
・大きな柄
・幅広ベルト
・大きなアクセサリーやバッグ


❤大柄な(身長165cm以上)ことが悩みの場合
 大柄な人は、小柄な人とはまったく逆のコーディネートになります。加えて上から下までを単一のデザインにするよりも上半身と下半身に違うアイテムを持ってくるほうがいいでしょう。映画「千と千尋の神隠し」に登場した「顔無し」というキャラクターは白い顔以外は全身黒ずくめでしたが、大きくて威圧感たっぷりに見えませんでしたか? この作品のキャラクターの特徴にはぴったりでしたが、普通の女性は必要以上に背が高く見られたり、威圧感を演出する必要はないはずなので、NGコーディネートになります。トップスとボトムスでコントラストをハッキリさせて視線を散らすようにしましょう。上下で違う色を着たり、ベルト使いも有効。その際、ベルトは幅広の物がより効果的。また、目線をそらすという意味で大ぶりのバッグやアクセサリーも有効です。
 反対に、小さな小物や細かいディテールの装飾は避けたほうがいいでしょう。また、短かすぎるジャケットは下半身を長く見せ、縦ストライプのワンピースなどは縦の長さを強調するので避けたほうが無難。

大柄な人の場合のコーディネートのポイント
・コントラストをはっきりつける
・上下、別々の色を着る
・中間でラインを区切る
・大胆な柄やプリントはOK
・幅広のベルト、大ぶりのアクセサリーやバッグも有効

大柄な人のNGアイテム
・細かく、かわいらしいディテール
・短すぎるジャケット
・からだのラインが出る服
・縦ストライプ
・小さめの小物、アクセサリー、バッグ


❤華奢な体型が悩みの場合
 スリムできゃしゃな人は、体に密着しないデザインや素材の服がおすすめ。たっぷりしたドレープのブラウスやウエストのブラウジングでのボリューム感が体型をカバーしてくれます。胸もとを出すと華奢な体型が強調されてしまう場合が多いので、スカーフやリボンタイなどで胸もとを見せない工夫を。縦よりも横のラインを強調するようなコーディネートを基本にしてください。ボーダーの場合は横ボーダーに。ただ、ボーダーのラインが太めだと体型とアンバランスになるので実際にじぶんに合わせてみて判断してください。

華奢な体型が悩み場合のコーディネートのポイント
・やわらかく、ふんわりとした素材
・胸もとのスカーフやリボン結び
・高いネックライン
・横のラインを強調する
・ヨーク切り替え


NGアイテム
・太いストライプや大柄プリント
・深く開いた衿、ノースリーブ
・幅広いベルトや大きなアクセサリー



❤ふくよかな体型が悩みの場合
 体のラインをあまり明確にしない服選びが大切。ほどほどにゆったりとしたシルエットのほうが目の錯覚を利用してスッキリ見せることができます。服を買うときはジャストサイズではなく、余裕のあるサイズかワンサイズ上のものを。デザインは縦のラインや斜めのラインが強調できるようなテイストのものが有効。白やパステルカラーなどの中間色は膨張色なので避け、ビビッドな色やダークな色、黒などを中心にコーディネートすれば引きしまったイメージづくりができます。もし本人のパーソナルカラーがスプリングやオータムの場合、顔周りにパーソナルカラーを合わせて、ボトムスは濃いめのカラーリングにするといいでしょう。


ふくよかな場合のコーディネートのポイント
・縦のライン、斜めのラインを強調
・ゆったりとしたシルエット
・黒やビビッドな色づかい
・ニットはしっかりとした細ケージなどを
・アクセサリーはシンプルに

NGアイテム
・短めのスカート
・体にフィットしたシルエット
・白や暖色系・パステル系の膨張色
・たっぷりとしたフレアーやギャザー
・小さめのアクセサリー、細めのベルト


❤ヒップが気になる場合
 ヒップのサイズが気になる場合は、まず隠すことです。チュニックなどでウエストラインからヒップまでの縦のラインを作るのもよし。ロング丈のジャケットで隠しても。ジャケットに肩パッドをつけてヒップまわりを小さめに見せるという目の錯覚を利用してもいいでしょう。ボトムスはゆったりしたサイズがいいとはいえ、フレアーやギャザーなどで必要以上にたっぷりさせるデザインは避けましょう。色は濃いトーンでスッキリと。

ヒップを強調しないコーディネートのポイント
・肩パッド入りのトップスやアウターを合わせる
・オーバーブラウスやロング丈のジャケットで隠す
・ボトムスはゆったりしたサイズのものを選ぶ
・ボトムスの色は濃い色を合わせる


NGアイテム
・ジャストサイズのボトムス
・ヒップポケットのあるデザイン
・フレアーやギャザースカート
・大柄のチェックや柄
・ショート丈のジャケット


❤首が短い・太い場合
 有効なのは、デコルテを広く見せるような服。前開きのシャツやブラウスなら衿を広く開けて、顔~首~デコルテに一体感のある見せ方をするといいでしょう。深いVネックなども同じ効果が期待できます。広く開けて見せるか、もしくはリボンスカーフなどで目の錯覚を利用するのもいいでしょう。首周りに沿ったチョーカーネックレスなどは、首のサイズを引き立たせてしまうので避けたほうが無難。

首周りが気になる場合のコーディネートのポイント
・大きく開いた衿で肌を見せて、顔から首までのラインを一体化させる
・リボンスカーフを飾る

NGアイテム
・首のつまった衿
・タートルネック
・チョーカーネックレス




❤大きいバストが悩みの場合
 首が気になる場合と同様、デコルテを強調したデザインにする。バストに目線が集中することを避けてくれます。反対に胸元に凝った装飾がある服は視線を集めてしまうので逆効果となります。フリルやリボンなども必要以上に胸の部分が大きく見せるため避けたほうがよく、シンプルなデザインを心掛けましょう。また、サイズがタイトなもの、たとえば前開きブラウスのボタンの間にすき間が開くようなサイズは胸がより大きく見えてしまいがち。あえてセクシーさを強調したい場合は有効ですが、太ってみえる危険性もあります。

バストが大きい場合のコーディネートのポイント
・Vネックか襟ぐりの深い服にする
・トップスのデザインはシンプル・イズ・ベスト
・バストラインを目立たせないジャケットを羽織る


NGアイテム
・袖丈がバストラインの服
・Tシャツ、カットソー、ピッタリとしたトップス
・胸にデザインがあるもの


❤小さいバストが場合
 バストにボリュームがない場合、襟ぐりは浅めを選ぶことをおすすめします。前身ごろにデザインや装飾がある服などは、バストが小さめの体型のほうが美しく着こなせます。トップスはゆったりとしたサイズのものを選んで体のラインを強調しないようにしましょう。肩パッドのある服は、布地がゆるやかに体に沿って体のラインが隠れるため、有効。ボリュームのあるボトムスはトップスとのバランス見ながらコーディネートしましょう。


バストが小さい場合のコーディネートのポイント
・ゆったりしたトップスを選ぶ
・肩パッドのあるジャケットも有効
・胸ポケットや前身頃の装飾などもOK

NGアイテム
・ジャストサイズのトップス
・ボリュームのあるボトムス
・深めのVネックや大きな襟ぐり


❤脚が太い場合
 とにかく、脚を強調しないような着こなしをする。たとえばスカート・ストッキングやタイツ・靴をすべて同色にすると脚のラインが目立たなくなります。ベルトの位置を高めにしたり、イヤリング(ピアス)やネックレスを大ぶりなものにするなど、上半身に視線を集めるのもいいでしょう。靴は、足首がみえるシンプルなデザインを選ぶこと。スカート丈としては、ミニスカートはもちろん、ふくらはぎのいちばん太い場所に丈がくるようなミモレ丈も避けることが重要です。


足が太い場合のコーディネートのポイント
・スカート・ストッキングやタイツ・靴は同系色にする
・顔の近くにアクセントをもっていく
・ベルトを高めの位置にする
・靴はシンプルなデザインを選ぶ

NGアイテム
・スカートの丈はミニや中途半端なものは避ける
・ショートブーツ
・ローウエストのデザインは下半身に視線が集まる
・凝ったデザインでめだつ靴



❤二の腕が気になる場合

 二の腕が気になる場合、基本は隠すことです。腕のリアルなサイズが分からないようにするゆったりとした長袖のトップスが基本。五分丈や七分丈など、いちばん気になる部分を隠す長さの袖もOK。反対に、ノースリーブはもちろん、一時期流行したバルーン袖などはあまり選ばないほうが得策。あと、気をつけて欲しいのは、袖の部分だけにたっぷりと布地を使ったデザイン。体型や全体のラインとのバランスに気をつける必要があります。

腕が太い場合のコーディネートのポイント
・ゆったりとした長袖のトップスやジャケットがおススメ
・二の腕が隠れる五分丈・七分丈はOK
・体型とのバランスに気をつける


NGアイテム
・ノースリーブやバルーン袖、カフス付の半袖
・二の腕の最も太い部分から腕が見える袖丈




ポイントのまとめ
■気になるところ、隠したいところに視線を集めないようにすることが重要。具体的には、隠したい箇所に着丈や切り替えラインを持っていかない。気になるところに凝った装飾があれば、視線を集めてしまい、強調されてしまいます。ただし、この心理効果を逆に活用するという方法もあります。隠したい部分から離れた場所に装飾やデザインがある服やアクセサリー・小物をコーディネートすると、気になる箇所から視線をそらすことができるからです。視線をコントロールすることで良い印象づくりができます。
■自身の輪郭や骨格がどんな形であるか、どんなタイプであるかを把握しておく。そうすれば衿の形や開きぐあいはどうすればいいか、顔まわりにどんなアクセサリーを合わせればいいかが分かります。
■骨格に合った素材を見極めることも重要。骨格がしっかりしている場合、厚みや重みがある素材のほうが身体のラインが隠せるため、骨格も目立ちにくい。反対に骨格が華奢な場合は、薄くて軽い素材を選び、身体からつかず離れずのラインを演出したほうが得策。