2015年3月25日水曜日

モチベーションをアップするユニフォームとは

モチベーションをアップするユニフォームとは
ビジネスシーンでのファッションについて述べてきましたが、職場にユニフォームがあるケースについて一考してみます。ユニフォームとは、「明治以降に移入された組織・機関に所属する人間が着用する制服の俗称」。日本では、早ければ幼稚園から制服を身につけるなど、人生においてなじみ深いツールのひとつです。この制服の着こなしと人の心理の間にも深い関係があります。たとえば、思春期の頃、大人や体制への反抗心を表す自己主張のひとつとして、制服を気崩すことがあります。また、スポーツの世界などではチームのユニフォームや日本代表のユニフォームを身につけることでモチベーションが高まるはずです。制服は、ただ単に所属を表すツールなのではなく、人の行動や心理に大きな影響を与えるツールにもなりうるのです。これを心理学では「ユニフォーム効果」と言います。ユニフォームをキチンと身につけることで、気持ちにけじめがつけられ、仕事へのエネルギーアップにもつながりそうです。
 仕事で制服を着用する場合、大切なのは清潔感。ボタンを多めにはずしたり、袖をまくり上げるなど着崩したスタイルは、社外からの訪問者にいい印象を与えないので避けたほうがいいでしょう。また、体型に合っていないとだらしなく見えるので、サイズもできる範囲できちんと合わせることが大切。お直しまでする必要はありませんが、ボタンの付け替え程度での調節はしてもいいと思います。
 ほかの工夫すべき点は、ヘアスタイルやメイク。仕事中はロングヘアであればバレッタでまとめ髪にしたりシニヨンなどにすると、キチンと感が出ます。メイクは基本、色味を控えめに。口紅の色をベージュやベージュピンクなどにするだけでも、ナチュラル感が出ます。その際、顔色が悪くならないようにチークの色選びや濃さで調節するといいでしょう。ヘアスタイルやメイクは、航空会社の地上アテンダントや客室乗務員の方や、百貨店や企業の受付嬢が参考になりそうです。
 制服のお手入れですが、自宅などで洗濯ができない場合、こまめにブラッシングをしたり、エチケットブラシでホコリを取るようにしましょう。そして、職場で履く靴は、ラクだからとサンダルなどの使用は避けて、シンプルなフラットシューズなどで対応しましょう。ラクなほうがいいのであれば、最近のおしゃれなコンフォートシューズにしてもいいし、ナースシューズなどをネットで購入するのもおすすめです。
 アクセサリー類は制服を着ているときはあまりつけないほうが、美しいと思います。最低限、身につける時計に関しても、制服とのコーディネートを考えた時計選びをして欲しいもの。ダイヤなどをあしらったジュエリータイプは、アフター5に取っておきましょう。制服時とアフター5の私服で印象をガラリと変えてみるのも賢い選択。意外性がある人って、とても魅力的だと思うのですが、いかがですか。

2015年3月18日水曜日

出張や研修旅行のワードローブ

出張や研修旅行のワードローブ
就職して、企業の一員になった後、出張や研修旅行など泊まりがけのビジネスシーンを体験することも。ビジネスウーマンへのアドバイスとしては、ジャケット1枚と、ボトムスはスカートとパンツを1着ずつ持っていくことをおすすめします。少ない荷物で着回しが効くので便利なのです。そのためにも、社会人になったとき、共布でジャケット+スカート+パンツのセットを購入しておくことをおすすめします。出張の際、スーツ1着でブラウスを替えるという方法もありますが、商談の相手や商談内容によってスカートとパンツを使い分ければ、より商談がスムーズにいきそうです。また、同行者がいた場合、「機転が効く」と好印象を与えられます。季節や訪問地によってはカーディガンが1枚あると温度調節ができます。また、仕事終わりの食事会でジャケットからカーディガンに着替えると、崩しすぎないラフな雰囲気が演出できます。出張の予定にちょっとした食事会が含まれている場合、フェミニン過ぎないウールのワンピースか、ブラウススーツ、セットアップなどを荷物に入れておくのもいいでしょう。
 男性諸氏に気をつけていただきたいのが接待ゴルフや社内旅行など、私服になるシーンがある場合。たとえ、ビジネスの話が一切ない旅行だとしても、社内行事であることを忘れるのは御法度。社内でいままで築いてきた良いイメージをラフ過ぎる私服によって一瞬にして失う危険性があります。基本、襟があるシャツを着用して、カジュアルなジャケットも用意しておいて欲しいもの。ポロシャツでもいいのですが、糊やアイロンが効いたパリッとしたものが望ましいですね。中年になり、恰幅がいい方であればポロシャツよりも体のラインが隠せるシャツのほうがいいでしょう。海外出張などの場合、ホテルやレストランへ行く機会のことも考えて、カジュアルであってもネクタイとジャケットの用意は忘れずに。

2015年3月11日水曜日

就活スーツは、黒でいいの?

就活スーツは、黒でいいの?
 ここ数年、就活生の定番となっているのがブラックスーツ。10年ちょっと前から主流となっています。なぜ、ここまで「就活=ブラックスーツ」が定番になったのか、理由は定かではないようですが、バブル崩壊後の不景気を受け、「ブラックスーツは就活にも冠婚葬祭にも使える」が定説になっています。厳密に言うと就活用のブラックスーツと冠婚葬祭用の黒スーツでは、黒の深みが違う。つまり、就活用のスーツを冠婚葬祭で着ると、浮いてしまうのですが……。
 かつてDCブランドが日本を席巻した時代があります。そのとき、全身を黒でコーディネートとした、いわゆる「カラス族」ファッションが流行。それ以前のニュートラと称されたお嬢様風ファッションと相反するテイストであったため、とても斬新だと当時は話題に。以来、「カラス族」スタイルはモード系ファッションの定番として認知され、ファッションの中で「黒」は、斬新・神秘的・おとなっぽいなどのイメージを確立したように思います。
 普通、色は光を反射するという特性を持っていますが、この「黒」という色はすべての光を吸収してしまう特性を持っています。そのため、人は黒に対して独特の存在感があると感じてしまうのでしょう。ファッションの分野においてはスリムに見せてくれるという効果も期待されています。一方で、黒には重い・硬いといったイメージも。
色彩心理学的にアプローチすると、黒は何かを隠したいときに使う色。また、光を反射しない特性から肌の色を美しく見せない色であり、その結果、老けた印象を作ってしまう危険性も。なかなか扱いが難しい色であり、フレッシュな就活生には向かない色だというのが私の私見。
 もし、あなたの職業が占い師であれば黒はぴったり。神秘的で影のような存在という印象を相談者に与えられるし、実年齢よりも老けて見えたとしても経験豊富な印象となり言葉に説得力が生まれるかもしれません。が、もしも、あなたの仕事がチームワークを大切にする内容であったり、取引先の人とのコミュニケーションが大事な仕事であれば、黒がメインのコーディネートは避けたほうがいいでしょう。「何か話しづらいな」「何を考えているのかわからない人だな」「何か悲しいことがあったのかな」などと誤ったイメージを相手に与えかねません。何より、黒はすべての光を吸収してしまうので明るいオーラが外に発せられることがなく、魅力をアピールしにくくなります。黒は使い方ひとつで毒にも薬にもなる、まさに魔力を秘めた色なのです。

 黒の利点としては、他の色を引き立たせてくれるという作用もあるため、ポイントとして使うといいでしょう。黒の独特の存在感を利用して「私はほかと違う」という自己アピールしたいときにもいいかもしれません。反対に自信の無さや心の弱さを隠したいときに黒でコーディネートしてしまうとネガティブなオーラを発してしまい、隠したい要素を浮き上がらせてしまうので、要注意。つまり、自己アピールの場でもある就職活動には、本当はいちばん向かない色なのです。    それゆえ、私はこの「就活=ブラックスーツ」という潮流が早く変わればいいと思っているのですが……。ただ、いまの就活生がブラックスーツを選ぶ主な理由は「ムダに突出しないこと」のようです。つまり、他の就活生と横並びになり、フラットな状態で面接に臨むのが目的だとか。他と違うスーツを着ることでマイナスとなるかもしれない恐れを排除しているそうです。とはいえ、それは就職氷河期の考え方であって、売り手市場のときにはもう少し自己アピールをして面接に臨んでもいいのでは? と思うのですが。果たして、ブラックスーツが無くなる時代はくるのでしょうか。

2015年3月4日水曜日

プレゼンテーションは、勝負服でパワーアップ!

プレゼンテーションは、勝負服でパワーアップを!
 ビジネスウーマンにとって「ここ一番!」の大舞台となるのが、プレゼンテーション。いままで取り組んできたプロジェクトの総まとめの機会であり、自分の能力を最大限に発揮したい場でもあります。そんなときに着る服は、やはりじぶん自身が一番輝く服でしょう。ビジネスウーマンたるものじぶんを最も引き立ててくれる勝負服を1着は持っていたいもの。私が最適だと思うのは、まずシャープで直線的なシルエット。スーツか、シャツ+スカートが基本。色味はベーシックであれば何でもいいのですが、信頼感を与える色としては紺や濃いめのグレー、もしくはグレイッシュな色になります。堅実なイメージを与える色ならダークカラーになります。注意しておきたいのは、グレイという色は実にいろいろなバリエーションがあるということ。そして肌の色と合うグレイは異なるということです。日本人の黄色味のある肌の色に合うグレイは、やはり黄味がかかったグレイと言われています。が、日本人でもピンクがかった白肌の人もいるので、ここは試着時によく確認しておきたいもの。肌が明るく見える色を選ぶようにしましょう。
 プレゼンで避けたい色は黒。とくに黒一色のスーツなどはおすすめしません。黒は冠婚葬祭のカラーであり、最近では就職活動のイメージも定着しているので、信頼感にはつながりにくい。また、後の章でも述べますが黒は心理的に「何かを隠したい色」にもなるので、自分のパワーを外に出すプレゼンには不向きといえます。
 スーツのシルエットですが、ほどよく体に合い、ほどよく体のラインが出ないものがいいでしょう。とくに女性用のスーツには、体にフィットしたセクシーなデザインのものもあるので、それはビジネスシーンでは避けるべき。ビジネスウーマンに求められるのはセクシーさではなく、嗜みなのです。
 サイズ合わせでは、まず肩幅と袖丈に気をつけたい。肩幅が合っていないと着こなしがだらしなく見えてしまいがちです。袖丈は長過ぎても短すぎても、不格好。プレゼンでは身振り手振りが大きくなったり、ボードのデータを指し示したり、手元に視線が集まりやすいので、とくに気にしたいものです。袖丈は手を降ろしたときに手首にかかるぐらいが、ベスト。ベーシックな着こなしではシャツのカフスを見せますが、シャツの袖口が少し見えるぐらいでもいいでしょう。女性の場合は胸元のサイズ合わせも重要。ジャケットの第一ボタンを留めたとき、左右にシワが寄ってしまうと上着が小さく見えて、胸元が強調されすぎてしまいます。バストが大きい方なら、第一ボタンが胸元より下にあるVゾーンが深めのデザインを選んでもいいでしょう。ウエストも同様にシワが寄らない程度のゆとりがあるデザインにしましょう。
 プレゼンテーションのロケーションが広い会議室か、狭い小部屋かによっても服選びは変わります。広い会議室であれば全身が見られてしまうので、全身コーディネートに気を配るべきでしょう。その際、ジャケットとボトムスのバランスに気をつけて。ジャケットの丈がヒップラインより上か下にくるようにコーディネートすることをおすすめします。というのも、ジャケットの裾がヒップラインのトップにくるとヒップが強調されてしまうのです。つまり、お尻が大きく見てしまう。若い方はヒップラインより短めのジャケットを、年配の方ならヒップを隠すぐらいの丈感のジャケットでもいいでしょう。
 プレゼンの場には、小物選びにも気を配りましょう。靴はできればヒールのあるパンプスを。全身のラインを美しく見せてくれますし、何よりヒールを履いたときの緊張感が内面にもいい影響を与えてくれます。ただ、あまり普段から履き慣れていないと立ち姿が不安定に見えることもあり、逆効果。できれば、ヒールを2〜3時間は履いていても大丈夫なくらい、予行練習はしておいて欲しいものです。あまり履き慣れすぎたヒールだと、靴のシルエットがくずれてしまっている場合もあるので、加減が必要ですが。
 全体のコーディネートの色数ですが、服は3色以内、アクセサリーなどの小物のメタルカラーやレザーカラーを含めても5色以内に抑えるようにしましょう。色を使い過ぎたコーディネートは洗練された着こなしになりにくいし、こどもっぽく見えてしまう可能性もあります。やはり、ここは基本に忠実に色数は抑えたほうが懸命。プレゼンの場では、あくまでプロジェクトの内容が主役ということを忘れずに。
 そして、最も主張したいことは、ビジネススーツには上質なウール素材のアイテムを選んで欲しいということ。上質なウールは美しいシルエットを作り、光沢にも品があります。また、変なシワができにくいのできれいな着こなしにもつながるからです。
 主に女性のスタイルについて述べてきたので、ここで男性の着こなしについても少し。男性の場合、ジャケットとシャツ襟とネクタイのバランスが重要です。とくにシャツ襟とネクタイの幅が合っているかどうかに、その人のセンスが表れているといっても大げさではありません。シャツもネクタイも一流のブランドで今年のトレンドものだから……といって安心して身につけては失敗のもと。シャツ襟の幅には、それに合うネクタイというのものが存在します。そして、やっかいなことにネクタイの幅はその年によって流行があり、毎年変わります。ブランドによっても異なるし、トラッドやモッズなどファッションテイストによっても異なります。ネクタイひとつをとっても、実にバリエーションは豊富なのです。シャツとネクタイ、それぞれを購入する際、必ずショップの店員に何を合わせるべきか、確認するようにしましょう。

 カラーコーディネートに関しては、ボトムスと靴下とシューズのカラーテイストを合わせるとスッキリ、スマートに見せることができます。そして、男性の場合、ネクタイの色も重要。アメリカでは、赤のネクタイを“パワータイ”と言い、大統領選の候補が好んで身につける色です。赤のネクタイは「若々しさ」「エネルギッシュさ」「説得力」などを演出してくれると言われているからです。あなたが若手〜中堅で、新しいプロジェクトを提案するプレゼンの場では、赤のネクタイを選ぶのもおすすめです。ただし、あまり派手な赤は日本人には主張が強すぎて好まれない場合もあります。日本人に比較的、似合う色はスイカカラーと言ってクリアな赤。もしくはオレンジぐらいにするのもいいでしょう。一方、継続的なプロジェクトのプレゼンなどでは、青色のネクタイのほうがいいかもしれません。青は鎮静の色なので、控えめで誠実な印象が演出できます。ちなみに謝罪の場などにもおすすめの色です。