2014年3月19日水曜日

パリ&ロンドン 視察レポートその 4 「PRIMARK(プライマーク)」

英国の「しまむら」的存在、PRIMARK(プライマーク)。

プライマークはイギリスで人気のファストファッションブランド。 ウェアはもちろん、シューズ、バッグ、日用雑貨まで揃います。 いわば英国版「しまむら」。アメリカで言えば「フォーエバー21」。

1969 年アイルランドのダブリンにて最初のショップがオープン。 アイルランドでの成功を経て、70 年代にイギリスに進出。 90 年代までには両国に約 60 のショップを構えるまでに成長しました。 拠点をイギリスに移し、2000 年代以降はスペイン、ドイツ、オランダなど欧州各国に進出。 今では欧州で 250 以上の店舗を展開する人気ブランドになっています。 日本にはまだ上陸していないのが残念。
オックスフォード・ストリートに旗艦店をオープンしたのが 2007 年。
店内は、いつ行ってもセール中のような大賑わいだそうです。

こちらのショップは 1階にレディスウエア、ランジェリー、ホームウエア、靴下類など。 2階にメンズ、キッズ、ファッショングッズ、インテリア関連など。

このお店では、ほとんどのアイテムが£10ぐらい。 レディス・メンズともにスーツの上着が£30ですが、 これがプライマークの上限金額のようです。 Y シャツは£5ぐらいで、特筆すべきは、ネクタイが£1で買えるところ!

革靴が£11、帽子や手袋など小物が£1~2、靴が£6~18、  ジーンズが£15、シャツが£3~6といった感じ。 その他、ちょっとおしゃれなレディスのブラウスやジャケットも£5~10で買えます。 キッズファッションはほぼ£6以内。

リーズナブルに買える分、生地がペラペラであったり、 とても品質がい
いとは言えませんが、 トレンド・アイテムをワンシーズンだけ楽しみたい場合にはぴったり。 すぐに着られなくなるキッズアイテムが安く手に入るのも魅力です。

日曜日の夕方ともなると店内はかなり混雑するようです。 レジの前にはお客さんが常に30人近く並んでいる場合も珍しくないとか。 今回、ロンドンの物価の高さを痛感した私にとってもプライマークの人気は頷けます。

プライマークの店内には目のつくところに 「私たちは常にプライマークの製品を生産している工場の労働者の労働環境の改善を試みています。」といったスローガン。 プライマークの製品はすべて海外(インド、中国、ベトナム、バングラデッシュ、トルコなど)で生産され ているのですが、これら海外の工場で働く人々の権利を尊重しているという 企業の姿勢をアピールしているようです。 また、労働者の権利・生活環境の向上、女性の権利の向上などのために、 具体的にどのようなことをやっているかもオープンにしています。 プライマークの企業理念に
「従業員の権利を保証し、尊重することが、会社が成長を続けるための鍵」があり、 それをつねにユーザーにもアピールしている点が興味深いな、と思いました。

●RRIMARK Oxford street ( プライマーク オックスフォード・ストリート ) 住所:499 Oxford Stree, London, W1C 2QQ URL:http://www.primark.co.uk/ 電話:020 7495 0420

営業時間:8:30 ~ 22:00、土曜 8:30 ~ 21:00、日曜 12:00 ~ 18:00 アクセス:Central Line・Marble Arch 駅から徒歩約5分

2014年3月7日金曜日

パリ&ロンドン 視察レポートその 3 「中流階級向けで、やや高級志向のMarks & Spencer (マークス&スペンサー )」

(Marks & Spencer) マークス&スペンサーは、オリジナルブランドのアパレル製品・シューズ・アクセサリー・ ギフト商品・家庭用雑貨・食品などを販売するイギリスの小売系企業。
イギリスでは、国内に 300 店以上、約 30 か国にフランチャイズ店を展開しています。 従業員数は英国内で約 6 3,000 人、海外を合わせると約 8 万人に上るとか。

デザイナーとのコラボレーションによる衣料品やインナーを手掛けているのも有名。
ランジェリーではヴィクトリアズ・シークレットのエンジェルズとして有名なロージー・
ハンティント・ホワイトリーとコラボ。コンランショップとのコラボで家具・雑貨を展開したことも。

開業は古く、120 年前。
1894 年にポーランド系ユダヤ人露天商のマイケル・マークスとイギリス人のトム・スペンサーがリーズに開 業。2人の名前がそのまま企業名になっています。 創業当時は「なんでも1ペニー」の露店だったそうです。日本でいえば「100 均」のような 感じだったのでしょうか。
1905 年にスペンサーが、1907 年にはマークスが相次いで亡くなりましたが、その後も発展を続け、1926 に株式会社に。1930 年、ロンドン・マーブルアーチに本店をオープン。
1999 年にはマークス & スペンサーウェブサイトを開設し、オンラインショッピングが可能に。以来、世 界規模でシェアを伸ばしています。

M&SPB商品のイメージは「シンプル&ナチュラル」。 2014年は「ナチュラルなマリン」がテーマらしく、 全館を通してベージュ―とネイビーを基調にしたノスタルジックなマリンスタイルが 展開されていました。

イギリスでのM&Sの位置づけを表すエピソードをひとつ。
エリザベス女王の第4子・エドワード王子と婚約中だったころのソフィー妃が「だって、私ったらM&Sの服を着ているのよ」とコメントしたことがあったとか。
 当時皇太子妃だったダイアナさんと比較されることが多かったソフィー妃。
「自分は中産階級の出身で普通の人だから、ダイアナ妃と比較されても...」という 意味が含まれていたようです。
 つまり、イギリスではM&Sは高級でも安物でもない、
 中間クラスの洋服というイメージなのでしょう。
 M&Sの店舗形態は大きく分けて3通り。

 A)マークス&スペンサー......いわゆるデパートで大通りに面した場所にあります。お店によっては外貨両
 替所が併設。

B)M&Sシンプリーフード......デリ商品やスナックなどをメインに扱うスーパー。ほぼすべてのナショナル レールの駅構内にあり、イメージはコンビニといったところ。

C)M&Sアウトレット......一部の郊外店には併設されています。主に在庫品処分が目的。 次に、Aのデパートをアイテムごとにさらに詳しく紹介していきましょう。

衣料品コーナー〉 M&Sはイギリスの他社チェーン店と比べ、とくに衣料品に力をいれています。フロアが女性用、男性用で区 画整理がされている点は日本のデパートと同じ。他にはM&Sの自社ブランドの売り場が設けられています。 衣料品のなかでも英国女性にデイリーユースとして愛用されているのが、自社ブランドのブラジャー。
英国女性の 3 分の 1 はこのブラジャーを購入していると言われているほど支持されているようです。女性用下 着の素材開発にも力を入れており、補正用下着も充実。ブラジャーはAAからJカップまで揃うなど、サイズ 展開の幅広さも人気の秘密ではないでしょうか。

家庭雑貨のM&Sホーム〉
キッチン用品や陶磁器、さらには家具や書籍なども展開。


食料品のコーナー〉
スーパーと同じような売場展開。スーパーより品揃えは薄い感じですが、高級感がある商品が並びます。
アフタヌーンティーを習慣とする国だけあって、ビスケットやショートブレッド、紅茶などお菓子とお茶は魅力的なアイテムが豊富。
高級チョコレートなども手軽な価格で手に入ります。すぐに食べられる惣菜もたくさんあり、同じフロアにあるイートインコーナーで食べることもできます。
かつて、M&Sの商品はすべてが自社プライベートブランド(PB)でしたが、今では競合他社に遅れをとら ないようにと外部のサプライヤーからの商品も店頭に並ぶなど、時代に合わせた変化が。M&Sでは多くの商 品が、よりどりのセット売り。2~3セットをチョイスして購入しなければならない点が少し不便でした。

地下鉄マーブル・アーチ(Marble Arch・セントラル線)駅から、オックスフォード・ストリートを東へ。3 目の角の左側。徒歩約3分。

Marks&Spencer

住所:458 Oxford Street, London, W1C 1AP URL:http://marksandspencer.com/ 電話:020 7935 7954