2014年2月19日水曜日

パリ&ロンドン 視察レポート その2  ロンドンを活気づかせる 西と東の巨大ショッピングモール

■西の「Westfield London(ウェストフィールド・ロンドン)」

Westfield London(ウェストフィールド・ロンドン)」は
イギリスはもとより、ヨーロッパにおいても最大級のインドア型ショッピングセンター。
モール総面積150,000m²、店舗数275店以上、700以上のファッションブランドが揃います。
ロンドン中心部から地下鉄で15分というアクセスも魅力。

2008年のオープン当時、経済不況の打撃に苦しんでいたイギリスの
国内消費を活性化させるべく、鳴り物入りの登場を果たしたようです。
計画から建設までは実に13年。
オープン初日には、ロンドン市長や有名モデル、タレント、歌手などが
オープニング・セレモニーにかけつけ、その様子はテレビ中継までされたそうです。

通常のショップ以外にも、大手デパート、スーパーマーケット、14スクリーンある巨大映画館、50以上のレストランやカフェなどがショッピングセンター内に併設されています。
来客用駐車場スペースは4500台分、最寄り駅は4駅、施設内の郵便番号は9つもあるとか!

半端じゃないスケールは各店舗の広さを見てもしかり。
施設内にある多くのショップがロンドンの売り場面積を誇っているそうです。
「広すぎてお目当てのショップにたどりつけないのでは?」という心配は無用。
ナビゲーション・システムパネルのインタラクティブ・マップを使えば、
現在地から目的地までワンタッチのパネル操作で検索できるようになっています。

話題は施設の広さだけではありません。
イギリス初上陸のブランド16店舗、40以上の高級ブランドがミックスされた
ユニークなショップ構成も一見の価値あり。

そして、従来のショッピングセンターとの大きな違いは、
なんといっても「ラグジュアリーさ」。
その象徴がプラダ、グッチ、ルイ・ヴィトンといったハイエンドのブランド店舗のみが並んだ
新しいタイプのリテールエリア「ザ・ヴィレッジ」の存在です。
このように高級ブランドとハイストリートのショップがミックスされたショッピングモールは今までのイギリスのショッピングセンターとは一線を画します。

Westfield London
住所:Ariel Way,Shepherd’s Bush,W 12 7GF
URL:http://uk.westfield.com/london/
電話:+44 (0)20 3371 2300
営業時間:ショップ 月~水10:0021:00、木・金10:0022:00、土9:0021:00、日12:0018:00
10:0020:00
休業日:クリスマスなど特定日
アクセス:セントラル線シェパーズ・ブッシュ駅から、すぐ。


■東の「Westfield  Stratford City(ウエストフィールド・ストラットフォードシティ)

Westfield」と同じ運営会社が東ロンドンのストラットフォードに2011年9月に
オープンしたのが、これまた巨大ショッピングモール
ウェストフィールド・ストラットフォードシティ」です。
2012年に開催されたロンドン五輪メイン会場「オリンピックパーク」横に位置し
都市の中にあるショッピングモールとしては欧州最大級。
200を超える大小様々な店舗が軒を連ねていて、
広さは、前述のWestfield」をしのぐ175,000㎡、4つのフロアで構成されています。

モールの中には、デパートが2つ。
1つは、アパレルの売り上げで英国一を誇る「マークス&スペンサー(MS)」。
もう1つ は、オックスフォード・ストリート沿いに旗艦店を構える「ジョン・ルイス」。
どちらも、国内最大級の規模を誇る店舗。
食品スーパーはMSLG階の他、ジョン・ルイスの姉妹店「ウェイトローズ」が
LG階の一番北側にあります。


英国で広く知られるアパレルブランドはそのほとんどがモール内に店舗を構えます。
オックスフォード・ストリートにある大手ファッションチェーンのストアが
すべてこのモールに集結していると言っても過言ではない。

ファストファッションのラインナップの充実ぶりもスゴイ!
H&M」や「ZARA」はもとより、「フォエーバー21」「GAP」に「Next」、
さらに英国版「しまむら」とも言える格安カジュアル「PRIMARK」など。
「ウエストフィールド・ロンドン」との大きな違いは、このファストファッションに
力を入れている点でしょうか。
そのかわり、こちらのモールにはラグジュアリーブランドエリアがありません。
どちらかといえば、若い層向けのモールという印象です。

ロンドン五輪開催と同時期の開発だったこともあってか、
オリンピックに合わせてホテルが併設されています。
また、英国では最大規模のカジノもあり、他のモールとは違った楽しみ方が。

LG階(ローワー・グラウンド・フロア)地元の人々の生活に密着したお店や施設が集まるフロア。携帯ショップや銀行、薬局の「ブーツ」があります。おもちゃや子供服を扱うキッズ向けのショップも。各国の食材やスナック(日本の食材ショップもあり簡単な食事もできる)「グレートイースタンマーケット(Great Eastern Market)」、高級スーパーの「ウェイトローズ(Waitrose)」があるのもこのフロア。「グレートイースタンマーケット」を抜けた先には人気のフードコートが。モール内のレストランよりリーズナブルなので、いつも賑わっているとか。ここ、ロンドン東部はどちらかといえば低所得層の人々が多いエリアと言われているので、その背景があっての賑わいなのかもしれません。
G階(グラウンド・フロア)NR・地下鉄ストラットフォード駅側の入口を入ると右には「フォーエヴァー21」、左には「マークス&スペンサー」が。建物に入らず左側の通りを進むとオリンピックパークへの入口へ。その通りの両側にはスポーツ用品関係のお店がいろいろ。G階とLG階との「2階建て」で一番広いスペースを誇るのが人気のカジュアルブランド「プライマーク」。英国ではカジュアルな店ほど商品の整頓がおざなりな印象ですが、不思議なことに(失礼!)ここのショップは店内の商品管理がキチンとしているのでおすすめ。
F階(ファースト・フロア)ファストファッションが軒を並べるフロア。G階から繋がる「HM」、「フォーエヴァー21」のほか、英国で人気のNext」、「River Island」、「Zara」など。アパレル以外にはIPadiPhoneの「アップル・ストア」、百貨店「ジョン・ルイス」があります。また「ワールドフードコート World Food Court」があり、LG階のフードコードとは違っていろいろな国の料理が楽しめるのも魅力。
S階(セカンド・フロア)ファミリーレストラン的な店舗が10軒ほど並ぶ「Second Floor Restaurant」があります。ここは毎晩深夜まで営業しているのでショッピングを満喫した後、ゆっくり食事をするのに便利。また、映画館 VUEシネマ」とカジノ「Aspers アスパース」へ行くにはこのフロアから。


今回私は、ロンドン五輪会場近くに出来た東のWestfieldをリサーチしました。
英国版しまむらとも言えるプライマークのスケールに驚き‥
まだ日本に上陸していない欧米のSPA新業態ショップに新しい潮流を感じました。


Westfield Stratford City
住所:Westfield Stratford City, Stratford,London E20 1EJ
電話:+44(0)20 8221 7300
営業時間:ショップ10:0021:00、土曜は9:00~、日曜は11:0017:00
     レストラン10:0024:00、日曜は11:0023:00
休業日:クリスマスなど特定日
アクセス:セントラル線、ジュビリー線、DLR、またはノース・ロンドン線の
     Stratford駅から、すぐ。

※記事内データ等は公開時の情報をもとに作成しているため、変更になっている可能性があります。ご了承ください。

2014年2月11日火曜日

パリ&ロンドン 視察レポート その1

パリ&ロンドン 視察レポート その1
「ボーグルネル・ショッピングセンター at Paris

1月24日から2月1日にかけてパリ&ロンドンの
ショッピングセンターや百貨店、スーパーの視察をして来ました。
今回から何度かに分けてその市場レポートを連載しようと思います。

まずは、パリに昨年オープンしたばかりの
BEAUGRENELLE(ボーグルネルショッピングセンター)をご紹介します。

2013年10月、エッフェル塔が間近にそびえる15区のFront-de-Seine(セーヌ河岸地帯)に
オープンした45,000㎡の巨大ショッピングモール・ボーグルネル。
およそ東京ドームの大きさといえば、その広さがお分かりいただけるでしょうか。

付近に歴史的建造物がないため建築制限がゆるかったこの地域には、
かつてはシトロエンの工場があり、
Hôtel Nikko (現在はSofitel)を代表として
1970年代には高層ビルやマンションがどんどん建てられていきました。
1978年には2階建てのショッピング・センターもオープン。
当時は人気でしたが、近年は人の足が遠のき、日本で言うところの
シャッター商店街ように閑散としてしまっていたようです。
そこで地域の再開発構想のもと、5年近い改装工事を経て
新世代ショッピンモールBEAUGRENELLE(ボーグルネルショッピングセンター)”として生まれ変わりました。

巨大モールはつの建物に分かれていて、ブティック数は全部で120軒!
いちばん大きな建物 MAGNETIC館、PANORAMIC館、CITY館から成ります。

では、エリアの特色を紹介していきましょう。
まず、施設内で一番の規模を誇るMAGNETIC館(マニエティック)から。
ゲルラン、マイケル・コース 、バカラなどの高級ブランド、
MajeKooples Zadig&VoltaireCLAUDIE PIERLOT、ラコステ、プチ・バトー、Lollipops
メンズのCelioなど人気の中級ブランドが揃います。

SPAではZARAH&MHMホーム、米国の Esprit(エスプリ)abercrombiefitchTOMMI HILFIGERそしてパリでは3店舗めのUNIQLO(ユニクロ)、Muji(無印良品)など
日本のブランドもパリっ子には認められているみたいでうれしい限り。
コスメチェーンではSephora、ロクシタンにSabonどなど。
また、FnacDartyなど大手のPC・家電製品店も入っていて、
Fnacは上の階に書籍もあってかなり充実していました。

施設内でもセーヌ河に一番近いMAGNETICは、白を基調とした吹き抜けの開放的なつくりになっています。
天井には幾何学的にデザインされた透明・青・紫などのガラスが優しい光を取り込んでいました。
寒い季節や雨の日のなど、外を歩きたくないときに屋内にこれだけのショップがまとまってくれているとほんとうに便利。
歩き疲れたら、ところどころに椅子やソファが置かれ、ゆっくり休憩もできます。

次に、対面にあるPANORAMIC館へ。
ここにはシネマ・コンプレックスがあり、劇場数は10というワイドスケール。
レストランも充実しており、フレンチはもとよりエスニック、ヘルシーフードまで多彩。
回転寿司チェーンのMatsuriもあるので、フランス料理に疲れた日本人には助かりますね。
そして、なんといってもPANORAMIC館の売りは
イギリスのデパートMarks&Spencerが入っていること。
シャンゼリゼ通りの旗艦店に次ぐ2店舗めですが、かなりのスケール。
全フロアを使った食材コーナーはヨーロッパで一番の規模だとか!
Marks&Spencerのカフェも併設されていて、これはフランス初だそうです。

ほかにはフランスの食品スーパーMonoprixもあり、イギリスとフランスの違いを見て歩くのも楽しい。

3つの建物の中で一番規模が小さいのがCITY館。
郵便局、薬局、ヴィデオ・ゲーム、テレコムなど、
付近の住民のためのサービス施設や店舗がまとまっていました。
フード関係ではマクドナルドやカジュアルな日本食の食堂も。

パリを訪れる際は、新しい名所であるこの巨大ショッピングモールを
ぜひ、チェックしてみてください。

 Beaugrenelle
メトロの最寄り駅は10番線のCharles Michelsか次のJavel-André CitroënRER-CJavel。ちょっと遠いけど6番線のBir-Hakeimからも歩けける距離

住所:12 rue Linois 75015 Parisメトロ:シャルル・ミッシェル/Charles Michel営業時間:ブティックは月-10h~21レストランは無休10h~0